K-POPグループの寿命は短い――。
そんな定説をやすやすと覆してきた存在が、TWICEです。2015年のデビューから10年近くが経つ今も、彼女たちの名前は音楽番組やSNSのトレンドで常に目にします。新曲を出せば話題になり、ライブツアーのチケットは即完売。ファン層も当初の10代・20代女性だけにとどまらず、いまでは幅広い年代に支持されています。
では、なぜTWICEの人気はこれほど長く続いているのでしょうか。単に“ヒット曲が多いから”では語りきれない、彼女たちの“息の長い魅力”を探ってみましょう。

© JYP Entertainment
ファンとともに成長してきた「物語性」
TWICEのスタート地点は、JYPエンターテインメントが主催したサバイバル番組「SIXTEEN」。
練習生たちが競い合い、最終的に選ばれた9人がデビューを勝ち取るまでのプロセスは、まるで青春ドラマのようでした。視聴者は彼女たちの涙や笑顔をリアルタイムで見守り、「自分もこのグループの一員だ」という感情移入が生まれました。
この“共に歩んできた”感覚は、K-POPのファンダム文化において非常に重要です。ファンは単なるリスナーではなく、物語の参加者。TWICEの成長を支える“仲間”であるという一体感が、彼女たちの人気を長く支えてきました。
覚えやすいメロディと“真似したくなる”ダンス
「Cheer Up」や「TT」「What Is Love?」など、TWICEの楽曲には耳に残るフレーズが多く、誰でも口ずさめるキャッチーさがあります。
しかも、サビのダンスが特徴的で真似しやすい。「TTポーズ」はその代表例で、当時SNS上で爆発的に広まりました。TikTokやInstagramリールが登場する前から、彼女たちはすでに“バイラル”を起こしていたのです。
また、メンバーそれぞれが持つ個性が明確で、センターが誰であってもグループ全体がバランスよく見える構成も強みです。JYP特有の“チームとしての完成度”が、他のガールズグループと一線を画している部分でしょう。
日本人メンバーの存在と“親しみやすさ”
TWICEの国際的な成功を語るうえで欠かせないのが、日本人メンバーの存在です。
Sana、Mina、Momoの3人は、日本のファンにとって大きな親近感の象徴。彼女たちの自然体な日本語コメントや、テレビ番組での礼儀正しい受け答えは、日本の視聴者の心を掴みました。
また、TWICEは早い段階から日本語版のシングルやアルバムを積極的にリリースし、現地プロモーションにも力を入れました。K-POPアーティストが日本市場で活動する際、多くは翻訳曲やライブ中心の展開にとどまりますが、TWICEは“日本語での作品”を通じて本格的にアプローチ。
その結果、日本での人気は一時的なブームではなく、確かな“定着”を見せています。
彼女たちは「海外から来たアイドル」ではなく、「アジアの中の身近な友達」として親しまれているのです。
“可愛い”から“美しい”へ コンセプトの進化
デビュー当初のTWICEは、「明るくて元気」「ポップでキュート」なイメージが中心でした。
しかし、年を重ねるごとにそのコンセプトは大人の雰囲気へと変化しています。
「Feel Special」「I Can’t Stop Me」「Talk That Talk」などでは、女性らしい強さや自立をテーマにした世界観を打ち出し、ファッションや映像の面でも洗練された表現を見せています。
この“進化”が、ファンを飽きさせない理由のひとつです。
アイドルとしてのかわいらしさを失わずに、女性としての成長を自然に見せていく。ファンも一緒に年齢を重ねていく中で、「彼女たちは今も自分たちの時代と共に生きている」と感じられる。
この“共感の持続”こそが、長寿グループに不可欠な要素です。
ファンとの距離が近い「オープンなコミュニケーション」
TWICEの魅力を語るとき、忘れてはいけないのがファンとの関係性の深さです。
メンバーたちはSNSやライブ配信を通じて日常的にコミュニケーションを取り、ファンの声にリアルタイムで応えています。
たとえば誕生日や記念日に行われるV LIVE、SNSのコメント返信、バックステージ映像の共有など――こうした“素顔を見せる機会”が多いほど、ファンは距離の近さを感じます。
また、TWICEは決してスキャンダルや炎上といったトラブルが多くありません。
その誠実さと安定感が「安心して応援できるグループ」という信頼につながり、ファン離れを防いできたのです。
安定したマネジメントと継続的な活動
TWICEの活動はJYPエンターテインメントによって長期的に計画されています。
デビューからわずか1〜2年で日本進出を果たし、その後も韓国・日本を中心にアジア全域で活動を続けてきました。
グループとしてのスケジュールが継続的に組まれているため、「次はいつ活動するの?」とファンを不安にさせることが少ないのです。
また、メンバーそれぞれがソロ活動を始めた現在も、グループ活動とのバランスを上手く取っています。
“個の輝き”と“チームの結束”を両立させる姿勢は、まさに成熟したアイドル像と言えるでしょう。
海外展開への自然な拡張
TWICEの人気はアジアにとどまらず、北米やヨーロッパでも高まっています。
英語楽曲「The Feels」では米ビルボードチャートにもランクインし、アメリカの音楽番組に出演するなど、本格的なグローバル展開を進めています。
特筆すべきは、その海外活動が“無理を感じさせない”点です。
韓国語・日本語・英語と多言語で作品をリリースしても、どの国でも自然体の魅力が保たれている。そこには、9人それぞれが文化の違いを受け入れながら表現してきた積み重ねがあります。
世界を舞台にしても、ファンにとっての“TWICEらしさ”が失われない。
それが、国境を超えて愛される最大の理由でしょう。
“幸せを届ける”という原点
TWICEの音楽を聴くと、不思議と心が明るくなる。
それは彼女たちの楽曲に、常に“ポジティブなエネルギー”が流れているからです。
「Cheer Up」も「Feel Special」も、「落ち込んだときに寄り添ってくれる歌」として多くの人に支持されています。
この“幸福感を与える”力は、音楽的な技術やビジュアルを超えた、彼女たちの人柄そのものに由来しているのかもしれません。
終わりに:長く愛されるということ
デビューから約10年。
TWICEはすでに“ベテラン”と呼ばれる世代に入りつつあります。
それでも、彼女たちの笑顔やステージには、初心を忘れない輝きがあります。
ファンの心を動かすのは、完璧さよりも“誠実さ”と“継続”。
どんな時代になっても、真摯に音楽と向き合い、観る人を幸せにしようとする姿勢がある限り、TWICEの人気はこれからも続いていくでしょう。
彼女たちは、K-POPという枠を超えて“アジアのポップアイコン”として確立しつつあります。
その歩みは、これからも多くのファンにとって希望と笑顔の象徴であり続けるはずです。
