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UNISに楽曲を提供する日本人 Mayu Wakisakaとはいったい何者?

みなさん、この曲を聴いたことがあるでしょうか?


UNISの2NDミニアルバム「SWICY」にはいってる曲なのですが、この曲の楽曲提供者の欄には日本人の名が記されているんですね。


Source: UNIS YouTube channel

この人物こそ、Mayu Wakisaka(脇坂真由)氏。 彼女は、ロサンゼルスを拠点に活動する日本のシンガーソングライターであり、現在のK-POPシーンにおいて最も成功している「ヒット請負人」の一人です。

TWICE、NiziU、TXT、そしてZerobaseoneまで…K-POPの歴史を彩るあの名曲の数々を手掛けてきた彼女は、一体どのような人物なのでしょうか。

Source: SYNC NETWORK JAPAN

異色の経歴:京大法学部からLAの名門音楽学校へ

彼女の経歴は、非常にユニークです。大阪出身の彼女は、音楽とは異なる「法律」を学ぶために、なんと京都大学に進学されています。

しかし、音楽への情熱を諦めきれず、2007年には法律の学びを離れ、本格的に音楽の道へ進むことを決意します。単身渡米し、ロサンゼルスの名門音楽学校「ロサンゼルス・ミュージック・アカデミー(LAMA)」で音楽を学び直し、優秀な成績で卒業するという、劇的なキャリアチェンジを遂げました。

世界が認めた才能と「トップライナー」という役割

シンガーソングライターとして活動を始めると、彼女の才能はすぐに世界で認められます。

2011年には、世界的な音楽コンテスト「ジョン・レノン・ソングライティング・コンテスト」で、アコースティックな楽曲「Once」が高く評価され、日本人として初めて年間グランプリを受賞するという快挙を成し遂げました。さらに国際アコースティックミュージックアワード(IAMA)で優勝するなど、その作家としての才能が海外で早くから注目を集めていたのです。

彼女の卓越したメロディーセンスがK-POP制作陣の目に留まると、そのキャリアは一気に開花します。

彼女の役割は、主に「トップライナー(Topliner)」。これは、既に存在する音楽トラック(伴奏)に対して、楽曲の顔とも言える「主旋律(メロディー)」を生み出す、非常に重要なポジションです。彼女が生み出すメロディーは、K-POP特有の中毒性と日本的な親しみやすさを見事に融合させ、数多くのグループを歴史的なヒットに導きました。

K-POP史を彩る「ヒット請負人」としての功績

彼女の活躍を語る上で欠かせないのがTWICEです。デビューEPに収録された「Like a Fool」から楽曲を共作し、初期のTWICEの方向性を形づくる重要な役割を果たしました。さらに、社会現象となった「Knock Knock」や、日本での人気を不動のものにした「Candy Pop」「One More Time」など、グループの“らしさ”を決定づける多くの楽曲を手掛けています。

日本中が熱狂したオーディション番組「Nizi Project」から生まれたNiziUの、あの「縄跳びダンス」で一世を風靡したプレデビュー曲「Make you happy」も、J.Y. Park氏らと共に作曲に参加した彼女の作品です。

また、BTSの弟分として世界中から注目を浴びたTOMORROW X TOGETHER(TXT)の、最も重要な「デビュー曲」である「CROWN (ある日、頭からツノが生えた)」のメロディーも担当。グループの清涼感あふれるイメージを決定づけ、高い評価を得ました。

Oh My Girlが「清純派」としての人気を確立し、ブレイクするきっかけとなった名曲「Secret Garden」や「Step by Step」も彼女の作品です。

世代と国境を超えるメロディーメーカー

彼女の活躍は第3世代、第4世代のアーティストだけにとどまりません。K-POPのレジェンドである少女時代の「Indestructible」をはじめ、Red VelvetやApinkといったトップグループにも楽曲を提供。さらにGFRIENDの「Crème Brûlée」や「Three of Cups」、LOONA(今月の少女)の楽曲も手掛けています。

そして最近では、第5世代ボーイズグループの筆頭であるZerobaseoneの「Now or Never」(2025年)にもクレジットされるなど、世代を超えて常にK-POPの最前線で活躍し続けているのです。

Mayu Wakisaka氏の活動は、単なるヒットメーカーにとどまりません。彼女は、K-POPという国際的な音楽市場の中で、日本人としての感性を活かしながら、アジアから世界へと広がるポップス文化の流れを体現している存在です。

彼女自身の楽曲を聴くと、その一つひとつに「温かさ」と「洗練」が同居していることに気づかされます。K-POPがこれほどまでに世界で愛される理由の一端には、こうした国際的な才能たちの存在があるのです。

K-POPファンとして、これほど多くの名曲に日本人が関わっているというのは、親しみと誇りを感じるポイントになるかもしれませんね。

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